ランパントリウム

植物とおどろう

しみ出て広がるフロンティア

 植物の着生という生き方が好きです。土ではなく樹や岩に根を張って暮らすのを着生と言い、着生蘭の一種フウランを育てるのが今年の目標です。

 さて、古典園芸で使われている「しみ壺」という栽培用具を知り、思わず驚いてしまいました。しみ壺は素焼きの蛸壺に水を入れ、外側に苔やフウランを着生させるものです。素焼きなので水は少しずつ外にしみ出します。苔やシダ、蘭に持ってこいの環境です。しみ壺は私の理想郷かもしれません。湿った素焼きの質感と匂いが好きというのもあります。

 ただ、素焼きの蛸壺は入手先が限られているので代用品を探そうと思います。


 生態心理学の本で「意識は実在しない 心・知覚・自由」という本を読んでいます。生態心理学のいいところは現実を大事にしているところです。例えば、生態心理学は「目から映像データを受け取り、脳が体を操縦している」という見方を否定します。物を見て体を動かすことは行動としてひと続きで、脳を特別な立場に置くのは不自然と言えます。心はしみ壺の水分のように中と外が曖昧なものだと思います。


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 苔の石を少しアレンジすることにしました。イノモトソウを植えています。これからもっとシダを足していく予定です。苔はやはり、他の植物が風を遮る方がいいように思うのです。シダや苔、カタヒバが生い繁るところを想像すると心が落ち着いてきます。


 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!