ランパントリウム

植物とおどろう

アリとガラス片

道路を歩いていたら変わったものを見つけた。アリの巣のまわりに緑や茶色のキラキラしたものが散らばっている。 どうやらガラス片のようだ。ここだけでなく近くの別の巣にもあった。 アリがガラスを噛み砕いて運んだということは有り得そうもない。土に大量…

妖精

ベランダに自然に生えてきたヤブソテツを植え替え、ミニ鉢植えや寄せ植えにするなどした。 ここは地上数階なので被子植物のタネが飛んでくることは少ない。シダの胞子は軽いせいかここまで飛んでこられたようだ。まるで妖精のように思える。 数年前のエント…

水底

ささやかなビオトープを作った。容器の容量は8リットル。 水と土だけを入れてある。生き物が外から来るのを待つタイプのビオトープにした。 土入り植木鉢を置いて浅瀬にした。 異なる環境が隣り合う中間地帯のことをエコトーンと言う。浅瀬は陸と水のエコト…

ミニ枯れ野

ミニ空き地の冬の姿。枯れ野のミニチュアのようになった。 以前の姿↓ https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/03/23/215256 冬枯れの野原を見るとなぜか家が恋しくなる。べつに冬の野原で寂しい目に遭ったことなど無いはずなのに。不思議なので世界…

金色

室内で育てているシダの続報。 https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2022/10/06/222445 フレボディウム・ブルースター(和名ダイオウウラボシ。南アメリカ原産)は葉が大きくなった。青みがかった中間色でおしゃれ。 茎の育ち具合を見たかったので、鉢…

呼び声

今年も残り数時間になった。どんな庭を作りたいのか考えた一年だった。 造園と少し違う場所から庭を見たくて「自宅で湿地帯ビオトープ!生物多様性を守る水辺づくり」(大和書房)を読んだ。 ビオトープは生き物が自分から住み着いてくれるように作る。コツ…

スミレが落下した話

前回のエントリーに書いたスミレの続報。ハプニングが発生した。 https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/12/04/210000 風が強い日に棚から落下した。土が半分どこかに行ったため実質的に植え替えしないといけなくなった。本来はこの時期に植え替え…

秋の記録

今年の秋はほとんどブログを書いていなかった。記録はつけてあるので今からでも書いておこうと思う。 一つめ。ツバキのタネを播いた。成長は遅いがとても寿命が長い木だと知り興味を持った。民話に登場することが多く、人との関わりが深い点もおもしろい。 …

木の個体差

ネムノキの個体差が大きくなってきた。環境か遺伝かわからないが、銀色っぽい葉の苗と青みがかった緑の葉の苗がいる。 去年まではあまり違いがなかった。木は長命だから個体差が現れるまでに数年を要するのかもしれない。

ウメノキゴケ2023

去年のウメノキゴケの続報。ウメノキゴケは大気汚染に敏感で、空気の汚れた場所では育たない。住宅地で見つけたこの個体のコンディションはどうだろうか。 https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2022/10/24/001205 大きくなっていた。 下は去年の様子。…

ネムノキの根粒?

一ヶ月前、ネムノキの根もとにクルミの中身みたいなものが生えた。最初は埋まっていたがだんだん大きくなって地表に出てきた。 ピンセットでふれると根を張っているかのような手応えがあり、簡単には取れなさそうだった。 キノコかと思っていたけど、別のネ…

植栽行為記録保管所

ツイッターが終わりつつある。こんなに急速に分解していくとは思わなかった。当ブログを開いたのはツイッターの熱狂に植物を埋もれさせるのが嫌だったからというのがある。ツイッターが無くなってもツイッターを通して人類に根づいたバズり欲は簡単には消え…

さらば前葉体

今日、関東で梅雨が明けた。明日から水やりが忙しくなる。 胞子から育てたイヌワラビはすっかり大きくなった。 表土を覆っていた前葉体はもうほとんどいない。 胞子体が立ち上がっている。原野が林へ遷移するを見ているかのようだった。

苔と湿り気

水槽温室で育てているタイ類のその後。 https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/05/02/205401 思っていたより速く広がり、鉢をほぼ覆ってしまった。 種類はジャゴケの仲間だと思われる。この仲間は湿気を好むため風通しのいいアルドラには滅多に生え…

イチョウのうろ

街路樹の周りではいろいろな生き物が暮らしている。虫や鳥はもちろん他の植物が住み着いていることもある。 このイチョウのうろ(樹洞)にはシダが生えている。 種類はイヌワラビとイノモトソウの仲間のようだ。うろに土が溜まるなどして天然の植木鉢になっ…

すみれの閉鎖花

すみれに閉鎖花ができてタネが実った。 閉鎖花は自分の花粉で受粉する特殊な花で、名前の通り花としては開かない。開くのはタネを弾けさせる時だけだ。すみれが閉鎖花をつけるのは本で知っていたが、育つのを見るのは今回が初めてだった。 五月の中頃、閉鎖…

ノキシノブが生えた

先週末は台風で雨風が強かったが、アルドラの植物には被害がなかった。むしろ台風のあとの方が青々としているように見える。 アカマツの鉢にノキシノブが生えていることに気づいた。 ノキシノブは着生型のシダ植物。かつては茅葺き屋根によく生えたことから…

シンジュ

最近名前を覚えた木、シンジュ。ゾロっと長い葉を振り乱したスタイルがトレードマーク。 この株は街路樹のように道路脇に生えているが、偶然この場所で種から生えたものではないかと思う。街路樹としては植え方が変だし、シンジュの種は風に乗って飛ぶ形をし…

キキョウソウ

最近名前を覚えた植物、キキョウソウ。 花をアップで見たところ。 中央の花と左右の花を比べると花柱の形が違うのがわかる。中央のは綿棒型だが左右のは三角形になっている。図鑑によると、咲いて時間が経つと綿棒型から三角に裂けるのだという。いつか裂け…

無限再生能力

形を失いつつあるマテバシイの切り株を見つけた。幹は朽ち、平らな部分がない。公園内の木で、切られてから何年も経つのだと思う。 外輪山のように残った根もと部分は生きており、ひこばえが生えていた。 力強く天を目指している。 ひこばえを生やすかどうか…

前葉体平原

イヌワラビの前葉体が果てしなく続いている。 胞子体が発生した。ほぼ平面の世界で彼らだけが立ち上がっている。 前回のエントリーのときと比べて全体的に色が薄くなっている。 https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/03/06/232319 胞子体を出して…

初夏の人造裏庭

朝起きたら腰が「ぴきっ」と鳴って痛くなった。時間が経つに連れて痛い場所が腰→背中→首と登っていき、後頭部から抜けていった。腰で生じたズレを背骨全体の冗長性で回収したのだろうか。人体の不思議だ。 そんな季節の変わり目なので「人造裏庭2019」の記録…

苔をおそれる

帰宅して水槽温室※を覗いたら、前回のエントリーに書いたタイ類がもう成長を始めていてびっくりした。植えてから一週間も経っていない。 https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/04/29/200601 フチの一部が変形し土に沿って伸びている。伸びた部分は…

苔回収とブルーサルビア

植物がたくさん出てくるらしいので朝ドラを見たいのだけれど、毎回見逃してしまう。 知人宅で駆除予定だった苔を回収してきた。タイ類の仲間、おそらくジャゴケだと思う。前から育てたかったので鉢に植えた。 ベタッとした見た目に反してクリアファイルみた…

すみれの花

すみれをらんの仲間だと思っていた時期があった。花の後ろに伸びた距(きょ)がらんの横顔に似ているので勘違いしていた。 分類学的にはらんは単子葉植物、すみれは双子葉植物なので縁もゆかりもない。 このエントリーの写真は全て自宅で育てているすみれ。…

シダがほどける春

街の中でいろいろなシダの新芽を見つけた。バイオリンの棹のくるくる巻いた所に似ているため、フィドルヘッドとも呼ばれる。 ヤブソテツの仲間。 曲線と直線の対比がスタイリッシュで、アイコンかロゴマークのよう。思わず家紋にしたくなってしまう。 ベニシ…

超個体

ヌルデの群落。一昨年の夏ごろの様子。頻繁に刈り込まれているので丈は腰の高さくらい。 どこにでも生えているのが気になり、去年の秋に種を採って播いた。昨日根が出た。 ヌルデは以前のエントリーで地味な紅葉として取り上げた雑木。以後もときどき見に行…

ヨモギとヤブカラシ

去年のミニ空き地のその後。 https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2022/03/20/224432 去年徒長していたヨモギががっしりしてきた。茎の数も増えている。 ヤブカラシも複数の茎が出てきた。 去年の時点では移植したばかりで地下茎が痩せていて、しっか…

スギナの胞子

栽培用にスギナの胞子がほしいので探しに行ってきた。明るい川べりに毎年生えてくる。 ツクシがニョキニョキ生えている。ツクシは無駄の無い完成したフォルムいう感じがする。 数本摘み取り、播く前にスマホ用マクロレンズで観察した。 穂の六角形の内側に緑…

結晶

イヌガヤの植え替えをした。 規則正しく並んだ枝葉が結晶構造のようで美しい。針葉樹には静謐な美しさがある。イヌガヤは成長が遅く、結晶らしくゆっくりと大きくなっていく。