ランパントリウム

植物とおどろう

呼び声

 今年も残り数時間になった。どんな庭を作りたいのか考えた一年だった。

 造園と少し違う場所から庭を見たくて「自宅で湿地帯ビオトープ生物多様性を守る水辺づくり」(大和書房)を読んだ。

 ビオトープは生き物が自分から住み着いてくれるように作る。コツさえ掴めばそう難しくないのだと言う。そのことを知って希望を感じた。適切な呼び掛けをすれば虫や草木は向こうからやって来てくれる。

 今まで何度か庭に苔を呼ぶのを試した。まだ安定して呼ぶ方法は見つからない。これからは苔以外にもいろいろな生き物を呼び寄せる庭にしていきたい。その過程できっと苔も来てくれる。

 それから、自分はそういうことに希望を感じるのだということが改めて分かった。分かったというより思い出したという方が近いかもしれない。なぜ忘れていたのだろう。何に価値や意味を認識するのか、自分でも案外分からないものだと思う。

 忘れている大事なことがまだたくさんある気がする。それに付属する、忘れてしまった理由を思い出すのはちょっと大変そうな気がする。しかし今はとりあえず年越しそばが優先される。来年ぼちぼち思い出していこう。それでは皆さま、よいお年を。