ランパントリウム

植物とおどろう

ウメノキゴケ2023

 去年のウメノキゴケの続報。ウメノキゴケは大気汚染に敏感で、空気の汚れた場所では育たない。住宅地で見つけたこの個体のコンディションはどうだろうか。

https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2022/10/24/001205

 大きくなっていた。

 下は去年の様子。木のコブを目印にすると広がっているのが分かる。

 ドーナツの穴部分も埋まってきた。これは今年。

 こちらは去年。

 樹皮の見える範囲が狭まっている。

 前回の観察から八ヶ月だが、一目で分かるくらい育っていた。この地域の空気は比較的汚れていないようだ。これからもウメノキゴケが育つ環境であってほしい。

ネムノキの根粒?

 一ヶ月前、ネムノキの根もとにクルミの中身みたいなものが生えた。最初は埋まっていたがだんだん大きくなって地表に出てきた。

 ピンセットでふれると根を張っているかのような手応えがあり、簡単には取れなさそうだった。

 キノコかと思っていたけど、別のネムノキの鉢にも似たものが生えた。

 別々の鉢に同じキノコが生えるだろうか。

 エビデンスは無いけどこの物体は根粒かもしれない。

 ネムノキをはじめマメ科の植物は特定の細菌を共生関係を結んでいる。細菌は空気中の窒素から肥料を作って植物に送り、植物は細菌に住処を提供する。根に生じるコブのようなその住処を根粒と言う。

 根粒が土の表面で育つとは聞いたことがない。鉢が浅いから地上にはみ出してきたのだろうか。来年か再来年には植え替えをする。そのときに地下がどうなっているか見てみることにしよう。

植栽行為記録保管所

 ツイッターが終わりつつある。こんなに急速に分解していくとは思わなかった。当ブログを開いたのはツイッターの熱狂に植物を埋もれさせるのが嫌だったからというのがある。ツイッターが無くなってもツイッターを通して人類に根づいたバズり欲は簡単には消えないだろう。

 今回は常緑樹の記録。シラカシとスギは暑い中でも育っている。

 夏が苦手なので暑さに強い植物を優先的に育てている。夏でも旺盛に新芽を出すのを見ていると頼もしく思える。

さらば前葉体

 今日、関東で梅雨が明けた。明日から水やりが忙しくなる。

 胞子から育てたイヌワラビはすっかり大きくなった。

 表土を覆っていた前葉体はもうほとんどいない。

 胞子体が立ち上がっている。原野が林へ遷移するを見ているかのようだった。

苔と湿り気

 水槽温室で育てているタイ類のその後。

https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/05/02/205401

 思っていたより速く広がり、鉢をほぼ覆ってしまった。

 種類はジャゴケの仲間だと思われる。この仲間は湿気を好むため風通しのいいアルドラには滅多に生えない。

 苔庭は窪地に作るのがいいと言う。湿気が溜まりやすいからだ。風通しがいいマンションのベランダは窪地と対極の存在に思える。水槽温室に手を入れるたび、もわりと湿った空気を感じる。ジャゴケを生かしている空気の中の水。これをベランダに生み出す方法はまだわからない。

イチョウのうろ

 街路樹の周りではいろいろな生き物が暮らしている。虫や鳥はもちろん他の植物が住み着いていることもある。

 このイチョウのうろ(樹洞)にはシダが生えている。

 種類はイヌワラビとイノモトソウの仲間のようだ。うろに土が溜まるなどして天然の植木鉢になっている。イチョウが強剪定されているために日当たりがよくなっているのは、ちょっと皮肉な話に思える。

 しかしイチョウもいつまでも軒先を貸しているばかりではない。うろは折れた枝が腐って空洞化したものなので、木はうろを塞ごうとする。これは同じイチョウの去年の冬の写真。

 うろのフチが厚く盛り上がっている。樹皮が成長し、左右から巻き込むように塞ぎ始めているためだ。このままだとうろは閉ざされ、したたかなシダの命運は尽きる。とは言え完全に閉じるにはまだ何年もかかるだろう。

 三年後くらいにまた続報をお伝えしたい。