ランパントリウム

植物とおどろう

ブロッサム

 こんばんは。

 道端で街路樹が花盛りです。その多くは葉に埋もれて咲く地味な存在ですが、実がなったり虫や鳥が集まる様子を見られることがあります。


 ネムノキ(落葉広葉高木、マメ科)の花からはどことなく南国情緒を感じます。

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 香りの良いと言われていますが、まだ嗅いだことはありません。


 ホソバタイサンボク(常緑広葉高木、モクレン科)は巨大な花を咲かせますかが、葉で隠れています。

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 真ん中の白いものがホソバタイサンボクの花です。花に負けないほど葉も大きく、下から見上げた場合の視認は困難です。離れた場所から、裏表で色の違う大きな葉を目印に探す方が良いでしょう。

 花が散ったあと、根もとにアーティチョークのようなものが落ちていることがよくあります。受粉しなかった雌蕊と周囲のパーツが取れて落ちたものです。近縁のコブシやモクレンに比べると実ができにくいようです。


 ナンキンハゼ(落葉広葉高木、トウダイグサ科)の花は地味で、花だと言われないと気づかない形をしています。

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 分かりづらいですが花盛りです。

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 枝の先にある、黄色っぽい尻尾のようなものが花の集合体です。

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 房になった黄色いのが雄花で、雌花は根もとにあります。この写真では既に実を結んでいます。

 実は熟すと黒くなってから割れ、中から蝋に包まれた種が露わになります。これは前の冬に撮った実の写真です。

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 毎年大晦日近くになると、何種類かの鳥たちが種をついばむのを見かけます。大量に実るうえに公園や道沿いにまとまって植えてあるので、餌場になるのだと思います。

 鳥たちは可愛らしいですが、ナンキンハゼを街路樹として選んだ人——公園や街路の設計者——はこの事態を予測していたのでしょうか。鳥の糞から発芽したと思しきナンキンハゼを見つけると、この樹は設計者の制御から離れつつあるように思えます。

 当ブログは植物のはびこる力を追いかけていますが、無秩序な繁殖を肯定しているわけではありません。ナンキンハゼは丈夫で美しい樹ですが、眺めていると人と植物の共生の難しさを思いほろ苦い気持ちになります。