ランパントリウム

植物とおどろう

キャピラリーアクション

 こんばんは。

 先週末から少し体調を崩し、植物の手入れが滞っています。苔を生やすことについても、無理をしても苔は生えないのでお休みです。

 今回は街で見かけた植物の写真を貼っていこうと思います。

 比較的最近整備された車道沿いを歩きました。昔は藪と崖でしたが、今では見晴らしのよい緩い坂道です。

f:id:corunu:20201008161056j:plain

 吹き流しみたいな花弁が特徴の、ベニバナトキワマンサクが咲いていました。初夏に咲くとされていますが、秋に咲くこともよくあるようです。


f:id:corunu:20201008161117j:plain

 シャリンバイに実がなっています。大気汚染に強いとされ車道沿いによく植えてある低木です。

 名前のシャリンとは、幹から放射状に伸びた葉柄が車輪のスポークに見えることからついた名前です(名前の由来は他にも諸説あります)。しかし、この個体やこの辺り一帯のシャリンバイは樹形が崩れあまり車輪らしくない姿でした。造成工事で入れた土の質がイマイチなのかもしれません。

 車道から脇道に入り住宅地を歩きます。公園で休みつつ、苔を探します。

f:id:corunu:20201008161143j:plain

 植栽エリアと遊歩道の境い目に土嚢が積んでありました。苔が生えています。近づいてみましょう。

f:id:corunu:20201008170107j:plain

 だいぶ年季の入った土嚢です。化学繊維が擦り切れて大地に還りつつあります。苔は中の砂利から生えて繊維の隙間をすり抜け、外側を覆っています。傷み具合と苔の繁茂ぶりから推察すると三、四年前からここにある土嚢ではないかと思います。

 放置された土嚢に苔が生えることは珍しくありません。土嚢が水分を保つこと、立体的な形のおかげで落葉に苔の光合成が阻害されないこと、繊維の毛細管現象が苔の生育にプラスに働くことが主な理由ではないでしょうか。苔を育てるうえで見習うべきことはこんなところにも隠れています。