ランパントリウム

植物とおどろう

うるモコダイバー

 「苔三昧」という本からの受け売りですが、苔はうるうるしていてモコモコしていますね。苔がモコモコになる季節が待ち遠しいです。

 さてさて、当ブログのヘッダーはマクロレンズを使って撮りました。

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 洗濯バサミのような形のスマートフォンマクロレンズで、百円で買ったものです。苔がとても大きく見えますね。写真を拡大したものより情報が密で、レンガを包んでいる水の膜が光って見えます。


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 マクロレンズだと苔が透明な生き物なのがよく分かります。苔には水分を保持する表皮が無く、周りが乾くと水分を手放し休眠します。陸の生き物は水分を逃がさない仕組みを持っているのですが(昆虫の殻やトカゲの鱗など)苔は乾燥に対して「抗わない」という生き残り戦略を取っています。うるうるとモコモコを両立できるのは苔のフレキシブルな水の扱いに由来しているのです。

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 ニレケヤキの落ち葉と苔です。落ち葉は革のように丈夫そうですね。


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 去年の冬、マクロレンズで撮った霜柱です。土から押し出されて育った、糸のように細い氷です。マクロレンズは使おうと思わないとなかなか使えないので、毎週日曜日をマクロレンズ曜日にしようと思いました。

 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

蘭と脳

 昨日は久しぶりに雨が降り、夜中に雪になりました。道の苔が生き生きするので嬉しいです。


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 デンドロビウムたちが花を咲かせています。11月の終わりから咲き始め、花もちがとてもいいです。自宅で花を咲かせられるとは思っていなかったので、驚きました。

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 眺めていると山の朝の空気を吸っている気持ちになります。左下にいるのはアフリカナガバモウセンゴケです。寒さと乾燥に弱い植物をガラス水槽に入れてあります。


 図書館に行き生態心理学の本を読むなどしました。生態心理学とは、生き物の心と生態をセットで考える心理学です。脳は思考する器官ではないというすごい事が書いてあったりします(脳がしているのは識別だけだそうで)。


それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

トランスルーセント・ガーデン

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 だいぶ伸びてきたので、ボトルアクアリウムウィローモスミクロソリウム・ウェンディロフの手入れをしました。ウィローモスは切って束ね、流木に糸で縛り付けます。

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 並べたウィローモスは蒲焼きに似ています。海藻のようにうねうねとしているのがミクロソリウムです。

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 手入れを終え、水を入れました。さっぱりしすぎて少し寂しいです。水草を足そうかな。


 Amazonで苔の本を探していたら、実用書に混ざって漫画が現れました。庭先案内(著・須藤真澄)という作品です。

https://www.amazon.co.jp/%E5%BA%AD%E5%85%88%E6%A1%88%E5%86%85-1%E5%B7%BB-%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%A0%88%E8%97%A4-%E7%9C%9F%E6%BE%84-ebook/dp/B00IKF576O


 読み始めたとき、心のリージョンコードに合う漫画に出会ったなあと思いました。そっと触れたくなる日用品と時間が詰まった、箱庭世界です。

 箱庭はよいものですね。ボトルアクアリウムも箱庭の一種だと思います。

 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

シダと小豆とキノコと

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 少しずつ日が長くなり、日差しの暖かさも増してきました。ハエトリグモやアブ、ガガンボなど寒さに強い虫たちの姿を見かけることもあり、春はすぐそこだと思いました。

 写真のシダはセイヨウタマシダです。見ていると自分でも理由の分からない安らぎを覚えます。小さく丸い葉が並んでいるという形に、安定と調和を感じるのかも知れません。


 博物館で聞いた苔の話で面白かったのは、菌根共生のことです。多くの植物はカビやキノコの菌糸と根で繋がっており、互いに栄養やミネラルを交換しています。この関係が菌根共生で、苔も菌根共生を行うことが分かってきました。森に住む苔の場合、土の中の菌糸ネットワークで周りの樹や草と繋がっているそうです。その深さと細やかさを想像し軽いめまいがしました。解説してくれた先生が「分からないことだらけですよ」とどこか嬉しそうに言っていたのが印象的でした。


 ちょっと目が疲れたのでホット小豆アイマスクを使いました。長いこと使っているのですが、暖めると微かに小豆の匂いがしてなんだか楽しかったです。

 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

ソフト側溝

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 千葉県立中央博物館に行ってきました。昨日の雨のおかげで路上の苔も潤っています。


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 博物館には青葉の森公園の中を通って行きます。公園内に小さなばら園があり、ヴィリディフローラというばらが咲いていました。花びらが葉のように変化した緑色のばらで、赤いのは紅葉現象らしいです。

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 蕾はだいたいキャベツです。ばらのことは全然分からないのですが、真冬にも咲くものなのですね。

 今回足を運んだのは苔についての講演を聞くためでした。その内容は予想を遥かにこえていたので、後日改めて書こうと思います。


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 ここの側溝は浅くてゆるやかな傾斜で、その上でこぼこしています。生き物が落っこちないようにしているのだと思います。

 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

花の鱗

 お正月に散歩をするのが好きです。湿気の飛んだ空気は光をまっすぐに通し、樹皮や古い遊具の陰影がくっきりします。希薄な雲が彩雲になって浮いていることも多いです。乗り物の通行が減って静かになるのもいいですね。

 散歩で見応えがあるのはやはり葉を落とした落葉樹で、高い空に切り絵のような幹と枝が映えます。また、桜は枝が低い位置にあるので冬芽を近くで見ることも出来ます。

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 公園の、たぶんソメイヨシノだと思います。鱗に覆われていますね。松ぼっくりみたいでかわいらしいです。

 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

恒星天

 もうすぐ大みそかですね。「羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季」という本を読み始めました。羊たちとの暮らしには「始まりも終わりもない」そうで、この言葉を年末年始の挨拶の代わりとさせて頂きます。

「チキタ★GUGU」という漫画を読み、泣いてしまいました。人喰いの妖怪(人間よりずっと強くて長生き)と、妖怪にとって猛毒の体を持つ特異体質の人間の物語です。妖怪が人間を百年かけてフォアグラにするようなお話で、境界線をどんどん飛び越えていきます。登場人物のひとり、ダムダムに私は強い衝撃を受けてしまいました。話の核心に関わるので気になる方は次の四連黒四角◆◆◆◆まで飛ばして読んでください。


 ダムダムはいろいろあって歳をとらなくなり、人里離れた場所で妖怪と暮らしています。同族に疎まれたダムダムは人間よりも妖怪たちの中に安らぎを見出すようになりました。主人公の仲間はその様を見て「人は一人では生きていけない」と言います。



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 私は苔の中に人を見ています。苔はどの町のどの辻にも居て、星座のように変わらず在り続けてくれます。

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 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!