ランパントリウム

植物とおどろう

腰掛けて苔、瓶に苔

 こんばんは。最近ラジオを聴くことが増えました。NHKの子ども科学電話相談がレギュラー番組になるそうで、平成最後の朗報だと思いました。


 まだいろいろと大変ですが、木製ベンチに生えている苔を見つけ気持ちが和やかになりました。

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 腰掛ける板と背もたれの板、両方にモコモコと生えています。

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 朔が花のようですね。この辺りは苔の生えた壁やひび割れた舗装道路が多くあり、観察が楽しみです。


「はじめての苔テラリウム」(成美堂出版)という本を買って読んでいます。テラリウム作成だけでなく、苔への理解を深めるのに参考になりそうな本です。湿度によって姿が激変するなど、苔はやっぱり不思議な生き物です。

 苔テラリウムについての本は近年たくさん出ています。不思議な出来事です。内装との馴染みがいいからでしょうか。ガラスの中に生き物がいる光景は人を惹きつけるのでしょうか。


 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

メープル・フラグメンツ

 こんばんは。暖かい日と雨の日が交互に続いています。街路樹と植え込みの樹は冬芽をどんどん開いていて、観察が追いつきません。

 去年の12月にモミジの種を蒔きました。盆栽としてこじんまりと育てていく予定です。10日前から本葉を展開しているので、時間を遡って写真を貼りますね。

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 縮んだ形から少しずつ開いています。虫の羽化のように水圧で膨らんでいるのでしょう。

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 開き始めはずいぶんチリチリとしていたので不思議に思いました。茎が曲がっているのは網掛けという盆栽の技法を使ったからです。芽生えの段階で網を掛けておくと、茎(未来の幹)に無理なく表情がつきます。

 12月は種蒔きには遅い時期ですが、無事に発芽してくれてよかった。

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 発芽したのは先月の始め、立春でした。

 種は近所の公園で探して拾いました。引っ越すことは決まっていたので、親しんだ公園の一部を分けてもらうことにしたのです。

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 よく分からないのですが2種類のモミジがいて、種の形も違います。右の大きな種はまだ発芽していないので休眠してしまったのかもしれません。

 それと……公園には今住んでいるところからも徒歩で行けます。

 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

空っぽのプール

 こんばんは。日没から20分経った頃外に出ると辺り一面が青色でした。奥行きや立体感が損なわれずに同じ色調になった、不思議な景色です。


 少し前に引っ越して、植物の置き場所も変更になりました。体感的に言うとプールサイドで、日射しで多肉植物が傷んでしまいました。苔にも厳しい環境ですがはびこる力を引き出してゆきたいです。


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 セラギネラは早くも瑞々しくなっています。葉が重なって生えていて甲殻類のようです。

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 プールを水で満たしてゆきたい。


 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

水ライオンは踊る

 こんばんは。去年の秋にクルミとアーモンドをハチミツ漬けにしたら、白く凝固して取り出せなくなりました。今月中には溶けてくれるでしょうか。


 少し大変な日々が続いていたのですが水槽の水換えをしました。ミクロソリウム・ウェンディロフは今日もたおやかです。

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 葉をよく見ると細かな泡がついています。水換え後の気泡は水草のだいご味です。

 ミクロソリウムは水生のシダなのですが、陸のシダにもよく似た変異種があることを知りました。獅子と言うそうです。たおやかな獅子ですね。


 この水槽ではウーパールーパーも暮らしています。ミムジイという名前です。

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 エラがたてがみっぽいです(二歳)。

 水換えは週に一度。崩れたリズムをバケツ一杯ごとに取り戻していきたい。


 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

崖の底のカサカサ

 暖かい日が多くなり、植物に安心して水やりをできるようになりました。冬は植物もカサカサになりがちです。

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 根洗いのハオルチアは水不足でやや赤っぽいです。冬に水をあげ過ぎると根腐れを起こすので乾燥気味にしていたためです。水をあげれば少しずつ緑色に戻ります。

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 根鉢の壁をハイゴケが登っています。這い上がっているようですね。宮崎駿さんの著作に「シュナの旅」という絵物語があります。話の終盤、シュナはとても深く大きな谷を降りて行くのですが、この根鉢は岩壁に似ているように思いました。シュナの旅は世界と時間に対する深く静かな恐怖が流れている作品です。できれば映画化して欲しかったです……(まだ出ないと決まってはいませんが)。


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 一昨日マクロレンズで苔を撮りました。一度乾かしてしまい冷や汗をかきましたが、水をあげたら復活しました。カラカラになっていたのですが流石です。なかなかご機嫌な様子ですね。

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 少し埃っぽくなってしまった「セラギネラ オーロラ」です。正体はクラマゴケの改良品種か近縁種だと思います。クラマゴケは苔ではなくシダの小葉類に属していて、また後日そのお話をしたいと思います。羽毛のように細かい葉が何とも言えない「生き物感」を出しています。

 我が家のセラギネラは乾きすぎ・日が当たりすぎの可能性があるため室内に移動させました。

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 ビカクシダとデンドロビウムで挟んでいます。保湿効果に期待大です。


 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

召喚サークル

 「このはNo.12  散歩で出会うみちくさ入門」という本を読んでいます。道にいる植物の名前や暮らしぶりを解説した本です。みちくさの中で私が俄然気に入っているのはツメクサの仲間です。

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 細い葉を広げているのがツメクサです。鉢のようになっているのは、道路標識の柱の切り株に土が溜まったアーバンワイルド植木鉢です。ツメクサは小さいので苔に混ざって生えていることも多く、以前の記事に写りこんでいました。

https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2018/12/30/000000

 身近な植物の名前を覚えると友人が増えた気持ちになります。


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 壁の水抜き穴にカタバミが根を下ろしています。このような壁を擁壁と呼ぶことを最近知りました。人の作った物と植物のせめぎ合いが感じられて好きです。


 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

しみ出て広がるフロンティア

 植物の着生という生き方が好きです。土ではなく樹や岩に根を張って暮らすのを着生と言い、着生蘭の一種フウランを育てるのが今年の目標です。

 さて、古典園芸で使われている「しみ壺」という栽培用具を知り、思わず驚いてしまいました。しみ壺は素焼きの蛸壺に水を入れ、外側に苔やフウランを着生させるものです。素焼きなので水は少しずつ外にしみ出します。苔やシダ、蘭に持ってこいの環境です。しみ壺は私の理想郷かもしれません。湿った素焼きの質感と匂いが好きというのもあります。

 ただ、素焼きの蛸壺は入手先が限られているので代用品を探そうと思います。


 生態心理学の本で「意識は実在しない 心・知覚・自由」という本を読んでいます。生態心理学のいいところは現実を大事にしているところです。例えば、生態心理学は「目から映像データを受け取り、脳が体を操縦している」という見方を否定します。物を見て体を動かすことは行動としてひと続きで、脳を特別な立場に置くのは不自然と言えます。心はしみ壺の水分のように中と外が曖昧なものだと思います。


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 苔の石を少しアレンジすることにしました。イノモトソウを植えています。これからもっとシダを足していく予定です。苔はやはり、他の植物が風を遮る方がいいように思うのです。シダや苔、カタヒバが生い繁るところを想像すると心が落ち着いてきます。


 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!