ランパントリウム

植物とおどろう

秋の記録

 今年の秋はほとんどブログを書いていなかった。記録はつけてあるので今からでも書いておこうと思う。

 一つめ。ツバキのタネを播いた。成長は遅いがとても寿命が長い木だと知り興味を持った。民話に登場することが多く、人との関わりが深い点もおもしろい。

 ツバキには静謐な木という印象がある。古い木造家屋、母屋から離れた土蔵の隣でひっそり咲いているイメージだ。

 タネからだと開花まで五年かかるという。

 二つめ。保管しておいたスミレのタネを播いた。

 タネから育ててタネを得ることができ、サイクルが一巡した。寿命が短いので鉢から鉢へタネを飛び移らせながら維持していくことになりそう。

 三つめ。初夏にカラスノエンドウのタネを採取しておいた。鉢植えの空きスペースに播いたら発芽した。

 カラスノエンドウは冬の間も緑を保ち、土を覆ってくれる。鉢植えが冬の風に当たると削り取られるような嫌な乾き方をする。カラスノエンドウの力を借りて土を保護していきたい。

 ラスト。胞子から育てたイヌワラビの記録。前回ブログに書いたのは七月だった。

https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/07/22/231734

 葉が伸び上がり、九月に最盛期を迎えた。成熟した株と葉の形がだいぶ違う。胞子葉はまだない。

 来年はアルドラに移したい。

 環境に馴染むか手探り中の植物が多い。これからは植物同士をどう組み合わせるか考えていきたい。

ウメノキゴケ2023

 去年のウメノキゴケの続報。ウメノキゴケは大気汚染に敏感で、空気の汚れた場所では育たない。住宅地で見つけたこの個体のコンディションはどうだろうか。

https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2022/10/24/001205

 大きくなっていた。

 下は去年の様子。木のコブを目印にすると広がっているのが分かる。

 ドーナツの穴部分も埋まってきた。これは今年。

 こちらは去年。

 樹皮の見える範囲が狭まっている。

 前回の観察から八ヶ月だが、一目で分かるくらい育っていた。この地域の空気は比較的汚れていないようだ。これからもウメノキゴケが育つ環境であってほしい。

ネムノキの根粒?

 一ヶ月前、ネムノキの根もとにクルミの中身みたいなものが生えた。最初は埋まっていたがだんだん大きくなって地表に出てきた。

 ピンセットでふれると根を張っているかのような手応えがあり、簡単には取れなさそうだった。

 キノコかと思っていたけど、別のネムノキの鉢にも似たものが生えた。

 別々の鉢に同じキノコが生えるだろうか。

 エビデンスは無いけどこの物体は根粒かもしれない。

 ネムノキをはじめマメ科の植物は特定の細菌を共生関係を結んでいる。細菌は空気中の窒素から肥料を作って植物に送り、植物は細菌に住処を提供する。根に生じるコブのようなその住処を根粒と言う。

 根粒が土の表面で育つとは聞いたことがない。鉢が浅いから地上にはみ出してきたのだろうか。来年か再来年には植え替えをする。そのときに地下がどうなっているか見てみることにしよう。

植栽行為記録保管所

 ツイッターが終わりつつある。こんなに急速に分解していくとは思わなかった。当ブログを開いたのはツイッターの熱狂に植物を埋もれさせるのが嫌だったからというのがある。ツイッターが無くなってもツイッターを通して人類に根づいたバズり欲は簡単には消えないだろう。

 今回は常緑樹の記録。シラカシとスギは暑い中でも育っている。

 夏が苦手なので暑さに強い植物を優先的に育てている。夏でも旺盛に新芽を出すのを見ていると頼もしく思える。

さらば前葉体

 今日、関東で梅雨が明けた。明日から水やりが忙しくなる。

 胞子から育てたイヌワラビはすっかり大きくなった。

 表土を覆っていた前葉体はもうほとんどいない。

 胞子体が立ち上がっている。原野が林へ遷移するを見ているかのようだった。

苔と湿り気

 水槽温室で育てているタイ類のその後。

https://rampantrium.hatenablog.com/entry/2023/05/02/205401

 思っていたより速く広がり、鉢をほぼ覆ってしまった。

 種類はジャゴケの仲間だと思われる。この仲間は湿気を好むため風通しのいいアルドラには滅多に生えない。

 苔庭は窪地に作るのがいいと言う。湿気が溜まりやすいからだ。風通しがいいマンションのベランダは窪地と対極の存在に思える。水槽温室に手を入れるたび、もわりと湿った空気を感じる。ジャゴケを生かしている空気の中の水。これをベランダに生み出す方法はまだわからない。