ランパントリウム

植物とおどろう

オフシーズン

 こんばんは。

 シクラメンの花期はそろそろ終了で、これから夏越しを迎えます。ねぎらいつつ塊茎の様子を見てみした。

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 花からは想像のつかない重厚感です。

 夏に成長を続けるか休眠するかは個体によって違い、それが夏越しの難しさにつながっているようです。

 歩きに出かけると、道端におしゃれな低木がいました。

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 フチが白くギザギザの葉。蒸し暑さを忘れさせてくれます。

 後ろの欄干を見てみると……

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 爬虫類の鱗のような、美しいヒビ割れがありました。

 帰り道、歩道をせかせかと渡る羽アリを見つけました。もう結婚飛行の時期なのだと気づかされました。

空気のかたまり

 こんばんは。先週から雨がよく降ります。空気が湿って喉の痛みが良くなりました。

 今の家に引っ越してから九ヶ月が経ちました。環境が大きく変わりましたが、ほとんどの植物たちは順応しているようです。特に調子がいいのは多肉植物です。多肉植物には風通しが大事なのですが、今の家のベランダはその点では良い場所のようです。

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 たわわに実っているのはエケベリア″静夜″です。春に植え替えられなかったので土が劣化し、水をあげても弾かれてしまいます。にも関わらず葉の色艶は良好です。

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 ルスキア″マキシマ″は成長期です。室外機に近い場所に置いていますが悪影響はないようです。

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 グロッチフィルムとフォーカリア 、その他数種類の寄せ植えです。私にとっての寄せ植えの試作品でもあります。

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 紅葉の記事でも触れたセダム″虹の玉″です。下の葉から順に色づいてきます。

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 三、四年植え替えしていないエケベリア″デレッセアーナ″です。植え替えずに同じ鉢で育てることを山野草では「持ち込む」と言うのですが、多肉の場合はどうなのでしょう。

 ″虹の玉″は今まで根元近くの葉が落ちてしまうことが多かったのですが、今は大丈夫です。このベランダは地形の関係で強い風が当たり、空気が丸ごと入れ替わります。葉だけでなく鉢も風に曝されている状態です。鉢の周りの空気が常に動いているのが良いのかもしれません。引っ越しにより、植物と空気の流れについて少しだけ理解が深まりました。

それぞれの紅葉

 こんばんは。朝夕の冷え込みで道端や公園の樹が色づいています。いつも通る道に桜の葉が落ちていました。

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 深く染まっています。モミジのように一斉に紅くはなりませんが、葉単体の美しさはなかなかのものです。

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 近くにはナツヅタが生えていました。ここまで紅くなる必要があるのかと問いたくなる紅さです。ツタには紅葉するものと常緑のものがいてそれぞれ別の種類です。


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 自宅で育てているネムノキも葉を落としつつあります。つい先日芽が出たばかりですが、天候と自身の体内時計に従っているようです。ネムノキにはあまり落葉樹のイメージがありませんでした。葉を閉じて就眠姿勢のまま黄色くなっていて、少し律儀だと思います。

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 葉のフチがわずかに紅くなっていました。紅葉とは植物がわざわざ葉に色素を溜め込むことによって起きる現象です。


 こちらはカタヒバの紅葉です。

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 コガネシダの異名の通り、もう少し経つと黄色くなります。シダにも紅葉する種類がいて、ホラシノブは鮮やかな紅にあるそうです(あいにく私は見たことがありません)。

 以下は数年前の写真です。多肉植物も紅葉します。

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 セダム属の″虹の玉″です。もともと葉の先端が赤っぽいのですが、寒さに当たると色が変化します。

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 クラッスラ属の″ロゲルシー″です。細かい毛が銀色に見えます。同属には他に紅葉で有名な″火祭り″という種類もいます。これらの多肉は紅葉しても落葉はせず、暖かくなると緑色に戻ります。


 紅葉の仕組みや、そもそもなぜ紅葉するのかということはまだよく分かっていないそうです。異なる種類をまたいで同じ色に染まるのは不思議なことだと思います。

メメント

 こんばんは。水路の壁面にアジアンタムの群生を見ました。側溝を大きくしたような人工物99%の水路で、建材の隙間や配管にコロニーを作っていました。アジアンタムはライムグリーンの細かい葉を持つシダで、さらさらと涼しげな観葉植物です。しかし、水路に居た株は人の背丈ほどに巨大化していました。草刈りしづらい場所だから旺盛にはびこったのでしょう。葉がみっしりと重なり、そよ風程度ではびくともしません。

 逞しくはびこること自体は良いけど、巨大化したせいでさらさら感も涼しげ感も皆無になってしまいました。やっぱり手入れは大事だと思います。

 さて、3〜5月は多肉植物の植え替えの時期です。前から育てている多肉を植え替え、寄せ植えにしました。

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 四種類を小ぶりに仕立て直しました。クラッスラ・ロゲルシー、月兎耳、静夜、雫石を植えてあります。

 少し早いですがシダも植え替えました。

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 左はダバリア・ラビットフットとセラギネラ・オーロラの寄せ植えです。二種類だけのを寄せ植えと呼ぶのは何か違う気がします。

 右はセラギネラ・オーロラの苔玉みたいなものです。英名はクッションモスだし苔玉よりも苔玉らしくなるのを期待しています(セラギネラはクラマゴケというシダの仲間です)。

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 上から見た姿が気に入っています。


 アジアンタムを忘れないようにしていきたいです。

 それでは、次回もレッツ・ランパントリウム!

霜月のおわり、苔のはじまり

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 「もう少し先になりそう」と前の記事に書きましたが、ストーン苔ヘンジに苔が生えてきました。昨日のことです。


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 斜めの溝の上に生えています。この写真はスマホマクロレンズで撮りました。とても小さいですね。


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 根洗いハオルチアの下部、根鉢とお皿の間にハイゴケを植えました。f:id:corunu:20181203194620j:plain

 常に湿らせているのでハイゴケにも都合が良いようです。鉢底石に活着し始めています。

 苔はみずから生えてきてくれるのが一番いいと思うのですが、お皿がモコモコになるのを想像してつい試したくなってしまいました。


 12月ですが、今日も暖かいです。どんな冬になるのでしょうか。ストーン苔ヘンジを乾かさないようにしていきたいです。

葉の中の海

 草木はどうやって去年と同じ芽を吹くのでしょうか。新芽も落葉も、毎年変わらず続いています。芽や蕾は自分の姿を忘れないということ、変わらず立ち続けるという植物の性質はどこから来たのでしょうか。


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 写真は根洗い仕立てにしたハオルチアです。根洗いにして平気なのか心配でしたが、今のところ調子が良さそうです。芽も動いています。

「波紋と螺旋とフィボナッチ」という自然科学の本を読みました。生き物の形がどう出来上がるかについての本で、とても面白いし分かりやすいのでおすすめです。さて、この本の中ではシマウマの縞模様について触れています。白黒の縞模様は、タイトル通り波紋だったのです。遺伝子に縞模様の設計図が書いてあるとかじゃなく、肌に広がる波という物理的な作用をもとに、縞の位置が決められていたのです。例えば尻尾の付け根あたりの絶妙な辻褄の合い方、とても設計図通りに縞を描いているとは思えません。


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 ハオルチアの葉です。砂糖菓子みたいな白い縞模様、波に見えないでしょうか。

 植物には波として見ることのできる形がたくさんあります。シダの葉は、重なり合った波や砕ける波頭にそっくりですね。新芽の展開や紅葉も、一年という長い周期の波なのではないでしょうか。引いて返す波なら形を憶えている必要は、ありません。


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 うちの猫です。猫は身近にいる縞模様の生き物ですね。

 植物も猫も海を抱えているのだと思います。それじゃ次回も、レッツ・ランパントリウム!